みなさん、こんにちは!
でんきの学校、卒業一期生の伊藤です。
今回は「エアコンが動かない!」「エアコンが効かない!」と困っているお客様に対して、問題となっている原因や確認すべきポイントを説明できるように解説していきます。
とお客様から聞かれた時、あなたならどのように対応しますか?
このような疑問や悩みに関して、しっかりと答えられることが、エアコン業者のプロとして重要です。
それでは、エアコンが効かない、動かない(効かない)場合の症状を解説した後に、原因や対処法を合わせて解説していきます!
エアコンが動かない(効かない)5つの原因
エアコンが動かない(効かない)と考えられる原因は下記の通りです。
- リモコン設定
- エラーコード点滅
- フィルター詰まり
- 室外機周辺環境
- 冷媒ガス漏れ
これら5つの要因で、エアコンが動かなくなったり、冷暖房が効かなかったりする可能性があります。
エアコンが動かない(効かない)原因① リモコンの設定
一つ目は「リモコンの設定」です。
当然の事ですが、エアコンの設定温度を間違えていると正常に動きません。
例えば、夏場に冷房を付けようとしているのに、実際には暖房設定になっていた場合、冷たい風は出てこないという訳です。
また、リモコンの故障や電池切れが原因で、エアコンが効かない場合も考えられます。しっかりと冷房設定と表示されているのにも関わらず、動かなかったり冷たい風が出ない場合は、リモコン操作に反応していない場合があります。
例えば、リモコンをしっかりとエアコンに向けて操作していない場合です。
エアコン運転を設定後、室内機から「ピッ」と音が鳴るのを確認した上で、冷たい風が出るか確認するようにしましょう。
リモコンの表示が薄くなっている場合や、設定情報が表示されない場合は電池を交換して下さい。
エアコンが動かない(効かない)原因② エラーコード点滅
2つ目は「エラーコード点滅」です。
エアコンが何らかの原因で動かなくなった場合、室内機のランプが点滅しエラー状態となっているケースがあります。
その際は、一度電源プラグを抜いた後大体3分程度放置して、電源プラグを差込み運転確認して下さい。
※各メーカーによって、電源プラグを抜いた後の待機時間が異なります。
問題無く運転できるようであれば、一過性の誤作動のケースが考えられるので、様子を見て頂く様にしましょう。
また、電源プラグ対応しても再度ランプが点滅したり、問題が解決できなかった場合は、あなたがお客様の代わりにエラーコードの診断と確認をし、その場で修理対応するか、メーカーへ見積もりや段取りを手配するようにしましょう。
エラーコード点滅により動かなくなった場合の詳しい内容は、冒頭のYouTube動画にてご紹介しているので、もしエラーが出ている場合は見て下さい。
エアコンが動かない(効かない)原因③ フィルター詰まり
3つ目は「フィルター詰まり」です。
エアコンは室内機のフィルターが汚れていると、空気が通りにくくなりエアコンの効きが悪くなる場合があります。
それに、ホコリなどの汚れがある場合、冷媒配管の冷たい熱を効率よく熱交換器に伝えることができず、冷房や暖房の効きが悪くなる可能性もあります。
エアコンの吹き出し口に手をかざしてみて、冷暖房の効きが悪い場合はフィルターの汚れを確認するようにして下さい。
フィルターが汚れていた場合には、掃除機でホコリを吸った後、水洗いするようにしましょう。
また、掃除機でホコリを吸う際には、フィルターの表面から吸うようにして下さい。なぜなら、裏からホコリを吸ってしまうと、フィルターにホコリが詰まってしまう恐れがあります。
シャワーなどで水洗いをする際には、フィルターの裏側から汚れを落とすようにして下さい。水洗い後は、しっかりと乾燥させた後に装着するようにしましょう。
濡れたまま装着すると、カビ等の原因になるので注意して下さい。
あまりにも汚れがひどい場合には、エアコンに精通したクリーニング業者に依頼するのも一つの手です。
エアコンの状況を確認し、最善と思われる方法をお客様に提案しましょう。
エアコンが動かない(効かない)原因④ 室外機周辺環境
4つ目は「室外機周辺環境」についてです。
原因や対処法をお伝えする前に、話の内容を理解しやすくする為、まずは室外機の構造について解説させて頂きます。
室外機の構造は、室外機の裏側にある吸い込み口から空気を取り込み冷媒管を冷やします。冷媒管を冷やした空気は吹き出し口から排出され、放熱されるという構造となっています。
つまり、この空気の流れを阻害するようなことがあると、エアコンの効きが悪くなったり動かなくなったりする可能性があるという訳です。
例えば、室外機の裏側の隙間が無かったり、日よけ用のカバーを付けている場合、室外機の裏側から空気を取り込むことがでず、冷媒管を冷ますことができません。
また、吹き出し口の前に植木鉢やバケツなどの障害物を置いていると、放熱した熱を即座に取り込むことになります。つまり、冷媒管の熱をきっちりと奪うことができず、正常な放熱ができなくなります。
その結果、冷房機能が低下しエアコンの効きが悪くなるという訳ですね。
というわけで、
- 室外機の吸い込み口側(裏側)に10㎝以上のスペースがあるか?
- 室外機の吹き出し口側(表側)に20㎝以上のスペースがあるか?
- 室外機の吹き出し口、吸い込み口に障害物を置いていないか?
こちらの3点を確認し、該当する場合はお客様に伝え、障害物を移動させたりして対応しましょう。
エアコンが動かない(効かない)原因⑤ 冷媒ガス漏れ
5つ目は「ガス漏れ」についてです。
エアコンが動かなかったり、冷房が効かなかったりする場合、室外機内に封入されていた冷媒ガスが抜けてしまっている可能性があります。
室外機から冷媒ガスが抜けていると、正しく熱交換処理ができず、冷たい風が出てこなくなってしまいます。
ちなみに、冷媒ガスが抜けていると・・・
- 冷房運転でもぬるい風ばかり出る
- 室外機の配管や熱交換器に霜がついている
- 室外機から変な音がする
このような症状が起きている可能性があります。もし、このような症状が出ている場合には、ガス漏れしているかもしれないと覚えておきましょう。
また、エアコンからガスが漏れる原因としては、大きく分けて3つあります。
- エアコン取外し&取付けミス
(外的要因による接続部のズレ) - 各パーツの経年劣化
(配管の劣化や腐食) - 製造段階でのミス
それでは、原因の詳細や対処法を一つずつ解説していきます。
①エアコン取外し&取付けミス
エアコンを取外した時や取付け時の施工不良によって、ガス漏れが起きる可能性があります。
例えば、正しく冷媒ガス回収作業を行わなかった場合や、配管接続部の不良が原因でガスが漏れてしまうケースがあります。
他にも、何らかの事情で室外機を動かした際に配管の接続部がズレてしまい、ガス漏れが発生しガスが抜けてしまうことも。
ポイントなのは、業者の施工が原因でガスが抜けてしまったのか、元々室外機にガスが入っていなかったのかを、どうやって証明するかがポイントです。なぜなら、取り外し前の状態でしか、ガスが入っているかいないかを確認、証明することができないからです。
なので、エアコンを取外す前にしっかりと動作確認しておかないと、やっかいなトラブルに巻き込まれる可能性が非常に高くなるというわけです。
もし、動作確認をしていない状態でエアコンを取り外し、引っ越し先にエアコンを取付けた後、ガスが入っていなかったらどうなるのか?
というように、トラブルの元になる可能性があります。
ガスの有無を証明する方法としては、エアコンを取外す前にお客様と一緒に動作確認をすることです。
夏場であれば設定温度を一番低くした後、吹き出し口の温度を測るようにしましょう。また、冷房運転時のガス圧を調べ、お客様に確認して頂ければ間違いないでしょう。
エアコンに何か異常があれば、この時点でお客様に事情を説明しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。なので、引っ越しの際にエアコンを移設取付するのであれば、必ずお客様と共に動作確認をしておくことをオススメします。
②各パーツの経年劣化
エアコンからガスが漏れてしまう原因として、各パーツの経年劣化が挙げられます。中でも経年劣化しやすいのは、室外機周辺のパーツです。
例えば、ガスの通り道であるバルブやパッキンが劣化することでガスが漏れる可能性があります。
エアコンの年式によっては、交換すべきパーツの在庫がない場合も考えられますので、しっかりとメーカーに確認し、その旨をお客様に伝えるようにしましょう。
他にも、接続部のフレアのひび割れにも注意が必要です。
施工時にしっかりとフレア加工していたとしても、長年の使用により小さなひび割れが発生し、ガスが漏れるということも考えられます。
また、バルブ側の接続部にキズがついていると、ガス漏れしてしまう可能性が高くなります。そんな時には「ナイログ」という冷媒漏れ防止剤等を使用すると安心です。
もし、新品なのにもかかわらず、フレアの接続部に大きなキズが付いていた場合には、メーカーに問い合わせるようにしましょう。
③製造段階でのミス
可能性としてはかなり低いですが、エアコンの製造段階でのミスでガスが漏れてしまうことがあります。
室内外機の熱交換器や本体の配管、室外機のコンプレッサーなどの冷媒回路に、人間の目では見えないぐらいの小さな穴が空いてしまい、ガスが漏れてしまうというケースも考えられます。
ちなみにですが、製造段階でのミスで起きたガス漏れに関して、覚えておくべき重要なポイントがあります。
それは、「メーカー保障」についてです。
エアコンに何か不具合があった場合、基本的にはエアコン本体に保障が1年ついています。熱交換器やコンプレッサーなどの冷媒回路に関しては、5年保障がついているので、1年の本体保障の有効期限が切れたとしても、無償で対応してもらえるでしょう。
ですが、冷媒回路に問題があると証明するには、どこからガスが漏れているのかを調べる知識と技術が必要です。
なので、ガス漏れの対処法としては、一般の方であればエアコンの専門業者かメーカーに直接依頼し、調査・修理してもらうようにしましょう。
業者の方であれば、家庭用の中性洗剤やガス検知器で調査する方法や、真空引きによる消去法で、原因を突き止めるようにしましょう。
原因が把握できた段階で、その場で修理対応できるのか、メーカー対応が必要なのかを判断し対応して下さい。
ちなみにですが、ガス漏れに関する詳しい調査や工程等をお伝えしたいのですが、説明する内容が多くなってしまうので、分かりやすい様に別の動画で詳しく解説したいと考えています。
まとめ
もしエアコンが動かなかったり、効かなくなったりした場合には、
- リモコン設定
- エラーコード点滅
- フィルター詰まり
- 室外機周辺環境
- 冷媒ガス漏れ
これらの5つの症状が出ていないか確認するようにして下さい。
一般の方であれば、リモコンの電池を変えるなど対応できる簡単な内容であれば、自ら対応して頂いても大丈夫です。ただ、部品を交換したりガス漏れ場所を特定するといった、高度な内容であれば専門業者に依頼するようにしましょう。
業者の方であれば、しっかりとエアコンの状況を調査し原因を突き止めることから始めて下さい。原因を把握した後は、お客様にとって何が最適なのか考え対応するようにして下さい。
このように、でんきの学校ではエアコンに関するお役立ち情報を数多く掲載しております。
ちなみにですが、お役立ち情報を掲載している理由としては、将来的にエアコン取付工事を学び仕事にしたいと考えている方に、現場で役立つ情報を知って頂きたいからです。
今回のお役立ち情報では、「エアコンが動かない」と悩んでいるお客様に対して、原因や改善策をお伝えすることができるようになって頂くために作成しています。
お客様の疑問や悩みに対してしっかりと答えることができないと、信用を失い不信感を抱かれる可能性もあるので、エアコン取付工事ができるだけでなく様々な知識を付けておく必要があるというわけです。
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