みなさん、こんにちは。
でんきの学校、卒業1期生の伊藤です。
今回は「エアコンの室外機カバーを付けた方が良いのか?」について解説させて頂きます。
世の中に室外機カバーの必要性に関しての情報がたくさんあり過ぎて、何を信じたら良いのか分からなくなったりしていませんか?
このように、正常な判断ができず多くの方が悩んでいるかと思われます。
とハッキリさせた方がスッキリしますよね?
結論から申しますと、エアコンの室外機の構造を把握し正しい商品の選定ができれば、エアコンの室外機カバーを付けた方が良いです。
その理由は、夏場の直射日光や冬場の凍結を防ぐことで、消費電力を抑えることができ電気代の節約に繋がるからです。
「室外機カバーが必要なのは分かったけど、もう少し詳しい解説が欲しいなぁ・・・」
といった方の為、室外機カバーに関する有益な情報をご紹介していきたいと思います。それでは、3つの項目に分け順番に解説していきますので、宜しくお願いします。
- 室外機カバー効果の仕組み
- 室外機カバーを付ける際の注意点
- 用途に応じた室外機カバー選定
室外機カバー効果の仕組み
冒頭でもお伝えした通り、エアコンの室外機カバーは夏場の直射日光や冬場の凍結を防ぐことで、消費電力を抑え電気代を節約することができるので効果があります。
なぜ室外機カバーをすることで、このような効果が得られるのでしょうか?
その疑問に答えるには、エアコンの室外機の構造を知ることが一番早いので解説させて頂きます。
室外機の構造をお伝えする際、夏場の冷房運転時を例に解説させて頂きます。
ちなみにですが、冷房をつけて部屋が涼しくなるのは、簡単に言うと部屋の中の暑い空気を外に排出しているからなんです。
冷房運転時には室内の暑い空気を室内機が吸い込み熱を取り込みます。
取り込んだ熱を冷媒という物質を通じて外に放出しているというイメージです。
冷媒とはこちらの冷媒管の中を流れている「物質」の事で、「冷媒ガス」とも呼ばれています。
室外機と室内機の間で、熱を移動させるために必要な物質と覚えておいてください。
ちなみにですが「熱」には熱の多い所から熱の少ない所に移動するという性質を持っています。
例えばですが、キンキンに冷えたビールを手に持った時、手のひらはものすごく冷たいですよね?
これは、熱の多い手の平からキンキンに冷えたビールへ熱が移動したことにより、冷たく感じているということなのです。
このような熱の性質を利用しているのがエアコンなんですね。
それでは、この熱の性質を室外機の構造に当てはめてみましょう。
冷房運転時、室内の暑い空気の熱を室内機に流れる冷たい冷媒に取り込みます。
冷媒に取り込んだ熱を冷媒管を通じ室外機へ移動させます。熱を取り込んだ冷媒は室外機にて圧縮されます。
冷媒は圧縮されるとものすごく高温になります。
冷媒を再利用するには、室外機の熱交換器にて高温となった冷媒を冷やす必要があります。
熱くなった室外機の冷媒を冷やす為には、室外機の後ろから空気を取り込み、ファンを通じて室外機内の熱を排出し冷却しなければなりません。
つまり、室外機の熱を上手く排出し冷却しないと、冷房の効率が悪くなり電気代が高くなってしまうという訳です。
例えばですが、室外機に直射日光が当たってしまうと、室外機の温度が上昇してしまいます。
室外機から熱を排出し温度を下げたいと思っているのに、直射日光が当たってしまうと室外機の温度が高くなり、熱を排出する効率が悪くなってしまいますよね?
ということは、直射日光から室外機を守ることで、温度の上昇を防ぐことができるという訳なのです。以上を踏まえ、室外機カバーを付けた結果、冷房の効率が良くなり電気代を節約できるという訳です。
「ようするに、冷房運転の効率を下げない為には、室外機カバーを使って直射日光から室外機を守る必要があるわけね」
その通りです!
それでは、室外機カバー効果の仕組みが理解できた所で、室外機カバーを付ける際の注意点をご紹介していきます。
②室外機カバーを付ける際の注意点
室外機カバーを取り付ける際の注意点は2点あります。
- ショートサーキット
- 子供のケガ防止
それでは、順番に解説していきます。
①ショートサーキットに要注意
室外機カバーを取り付ける際に、一番注意しなければならないのは「ショートサーキット」です。
ショートサーキットとは、室外機の吹き出し口から排出された暖かい空気が、すぐさま室外機の裏側にある吸い込み口に入ってしまい、エアコンの運転効率を低下させる現象のことです。
先程お伝えしたように、冷房運転時に高温となった室外機内の冷媒は、室外機後ろ側の吸い込み口から空気を取り込み、冷媒を冷却しなければなりません。
ですが、排出したばかりの暖かい空気が、すぐに吸い込み口に入ってきたらどうでしょうか?
もしそうなってしまったら、室外機内の冷媒を冷却する効率が悪くなり、結果的には電気代が高くなってしまう可能性があります。
最悪の場合には、運転が停止してしまうケースもあるそうです。
つまり「冷房の設定温度を下げているのに、ちっとも室内が涼しくならない・・・」何てことになってしまう可能性があるという訳ですね。
以上を踏まえ、今お伝えしたショートサーキットに該当してしまうような室外機カバーを使用してはダメという訳なのです。
例えばですが、吹き出し口から排出する空気を遮るようなカバーはよくありません。
このような室外機カバーだと、排出された空気を逃がすことができず、すぐに後ろの吸い込み口に暖かい空気が入ってしまう恐れがあります。
また、少し隙間はあるけど、排出された暖かい空気が跳ね返ってきそうな構造をしているカバーは避けた方が無難ですね。
他にも、室外機がぴったりと覆われている室外機カバーは、ショートサーキットを考えると避けた方が良いです。もし使用すると決めたとしても、通常よりも少し大きめのサイズの方が、ショートサーキットを防止できるかもしれません。
という訳で、ショートサーキットを引き起こす可能性のある、吹き出し口を遮っているタイプの室外機カバー等には注意しましょう。
②子供のケガ防止
続いて注意すべき点は、子供のケガ防止です。
ある程度年齢が高くなれば大丈夫かと思いますが、まだ危険を察知できない小さな子供であれば注意が必要です。
このように、室外機の吹き出し口は少し隙間が空いているので、小さな子供の指であれば入ってしまう危険性があります。
室外機内では、冷媒を冷やす為のファンが高速で回転しているので、お子様が指を入れたら大きなケガを負ってしまう危険性があります。このような不測の事態を防止する際に、室外機カバーが役に立つ時があります。
吹き出し口の排熱を遮らず、子供の指が入らないぐらい目の細かい室外機カバーであれば、使用しても良いと私は思いますね。
何か起きてからではいけませんので、事前にしっかりと対策しておくようにしましょう。
③要望に応じた室外機カバー選択
室外機カバー効果の仕組み、注意点などをお伝えしてきましたがいかがでしたでしょうか?
おそらくですが、
- 「運転効率を妨げないカバーが欲しい!」
- 「子供がケガをしないようなカバーが欲しい!」
- 「新築だからオシャレなカバーが欲しい!」
- 「とにかくお値打ちなカバーが欲しい!」
このように、人によっては室外機カバーを選択する際の基準が違ってくるかと思います。
ちなみにですが、室外機のカバーは世の中に沢山存在しますので、どれを選んだら良いのか分からない方もいらっしゃるかと思います。
そこで、室外機カバーの用途別に、どの室外機カバーが良さそうか私が選定してみました。
ちなみにですが、私が選定した室外機カバーを使用して、
と言われましても、責任を取ることができないので、申し訳ありませんが自己判断という形でお願い致します。
また、室外機の設置場所によっては、直射日光の当たる場所やショートサーキットが起こりやすい場所もあるので、一概には言い切れない面があります。
ご理解の程、宜しくお願い致します。
それでは、こちらの用途別に紹介させて頂きます。
運転効率重視の室外機カバー
直射日光防止やショートサーキットを考慮した室外機カバーですね。
価格もそこそこお値打ちですし、見栄えもそこまで悪くないと思います。
取付けも簡単そうなので、室外機カバーの中では優秀な部類だと思い選定させて頂きました。
安全重視の室外機カバー
エアコンカバー ウィンドウ ユニバーサル サイズ 室外機カバー
小さな子供が、室外機の吹き出し口に指を入れない事に注力し選定しました。
他のカバーだと指が入りそうな隙間が空いていたり、吹き出し口前のカバーを上げないと空気を排出できなかったりと、安心できない部分がありました。
その点を考慮すると、こちらの室内カバーが良いのではないかと思い選定させて頂きました。
素材感やデザイン感を気にしないのであれば、良いカバーだと思います。
オシャレ重視の室外機カバー
天板があるので直射日光を遮ることができ、吹き出し口前のルーバーの向きを変更&取り外しができそうなので選定しました。
少し価格的には値が張りますが、見た目的にはおしゃれな部類に入るかと思います。
他にもオシャレなカバーはありましたが、直射日光を遮れなかったり、ショートサーキットを引き起こしやすそうな構造だったのが残念でした。
こちらの室内機カバーであれば、機能・見た目共に合格ラインに達していると思います。
経年劣化防止重視の室外機カバー
アストロ エアコン室外機カバー 室内機用 シルバー 撥水加工 スリット・ひも付き
こちらの室内機カバーは、経年劣化防止に特化したカバーです。
というのも、冷暖房を使用する際には被せてはいけないという制約があります。
カバーを被せたままで運転してしまうと、ショートサーキットを引き起こす可能性が非常に高いです。
というわけで、「冬場はストーブを使うからエアコンは使わないわ」といった限定的な状態であれば、こちらのカバーを使用すると良いと思います。価格もお手頃なので、一度試してみるのもアリだと思います。
価格重視の室外機カバー
こちらの室外機カバーは価格に特化しております。
主に、直射日光を遮るという役割ですね。それに、上部のみ保護しているので、吹き出し口の排熱を遮ることも無いので、ショートサーキットの心配もありません。
耐久度や見た目などが少し物足りないかもしれませんが、価格や機能に特化したい方であればオススメです!
ここまで、用途別におすすめの室外機カバーを選定させて頂きました。
選定基準としては、ショートサーキットが起きない構造を軸に選定させて頂きました。
私が選定した室外機カバーの中には、デザイン性や価格帯などご期待に応えられていない可能性もあります。
また、室外機カバーを購入する際には、必ずご自宅に設置してある室外機の大きさを計測し、該当する室外機カバーを購入するようにして下さいね。
まとめ
今回は「エアコンの室外機カバーを付けた方が良いのか?」について解説させて頂きました。
復習となりますが、エアコンの室外機の構造を把握し正しい商品の選定ができれば、エアコンの室外機カバーを付けた方が良いです。
夏場の直射日光や冬場の凍結を防ぐことで、消費電力を抑えることができ電気代の節約に繋がるからという事をお伝えさせて頂きました。
また、用途別にエアコンの室外機カバーを選定させて頂きましたがいかがでしたでしょうか?
価格帯や見栄えなどは、視聴者様のお好みとなっておりますので、しっかりとサイズを確認の上購入するようにして下さい。
このように、でんきの学校ではエアコンに関連するコラムを随時公開しております。
理由としては、少しでもエアコンに関して学びたいと考えている方に対して、お役に立ちたいと考えているからです。
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また、実際に作業しながら学べるので、エアコン取り付け工事を学びたいと考えている方にとってうってつけの講習だと思います。
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