みなさん、こんにちは!
でんきの学校、卒業1期生の伊藤です!
今回は、100Vのコンセントを200Vに交換する電圧切替工事を解説していきます!
エアコン専用回路を100Vから200Vに変更する前に、お伝えしたいことがあります。少し長くなってしまいますが、非常に重要な事なのでお聞き頂けると幸いです。
エアコン専用コンセントの取替えや分電盤内のブレーカー取替え、電圧切替工事(100Vから200V)は、すべて第二種電気工事士の資格が必要な工事です。つまり、第二種電気工事士の有資格者以外は法律違反となります。
ちなみに、電圧切替工事は火事や器物破損の危険があるので、資格を所持していない方は必ず資格を所持した電気工事業者に依頼するようにして下さい。下手をしたら死傷者が出る可能性のある危険な工事なので、資格の無い方は絶対にやらないで下さい。
もう一つ気を付けておくべきことがあります。
それは、100Vの家電製品を使用しているコンセントに、誤って200Vを流してしまう事です。
誤って100Vの家電製品に200Vが流れると、高価なTVやPCが壊れてしまったり火事になってしまう危険性があります。
お客様の信用を一気に失うどころか、訴えられてしまう可能性もあるので注意が必要です。
以上を踏ふまえ、この動画ではなるべく安全な方法で、分かりやすく電圧切替について解説していきます。
エアコン専用回路電圧切替工事
それでは、エアコン専用回路を100Vから200Vに変更する工程を解説させて頂きます。
- 各ブレーカー回路切断
- 電圧切替作業
- エアコン専用回路コンセント取替
これらの流れに沿って、解説していきます。
①各ブレーカー回路切断
分電盤のブレーカーを落とす前に、お客様がパソコンで仕事をしていたり、テレビの録画をしていたりする場合があるので、ブレーカーを落とす前には必ずお客様の承認を得た上で行うようにして下さい。
まず、分電盤のカバーを取外しましょう。
メーカーによって様々ですが、このようにロックを解除し外せるカバーもあれば、左右もしくは下側にあるツメを外すパターンのカバーもあります。また、特定の箇所を押しながら外すカバーもあります。
それでは、一番左に設置してあるサービスブレーカー、右隣にあると漏電ブレーカーを落としていきましょう。
ちなみにですが、ブレーカーを落とすと場所によっては、真っ暗な状態での作業になる可能性があります。なので、電圧切替工事を行う場合には、ヘッドライトやランタンなどの照明器具を用意しておくようにしましょう。
分電盤のカバーを取外した後は、本当に電圧がきていないか各ブレーカーをテスターで測定しましょう。まずは、漏電ブレーカーの1次側をテスターで計測して下さい。
ちなみにですが、漏電ブレーカーの1次側に電圧が来ていないのは、一番左にあるサービスブレーカーを切断しているからです。
一番左にあるサービスブレーカーから電圧がかかっていないということは、漏電ブレーカーの2次側にも電圧は来ていないことが分かります。すなわち、銅バーにも電圧がきていない事が分かりますね。
電圧が来ていない事が確認できたら、銅バーを保護している黒いカバーを取外します。
②電圧切替作業
電圧切替作業に取り掛かる前に、100Vと200Vの仕組みについて理解しておきましょう。
電圧の数値は赤線(100V)、白線(中性線)、黒線(100V)の3本の線から構成されています。3本の配線の繋ぎ方により、100Vと200Vが決められるという訳ですね。
組み合わせとしては、赤線と白線(中性線)で100V、黒線と白線(中性線)で100V、赤線と黒線で200Vです。
銅バーを見て頂ければお分かりの通り、漏電ブレーカーから出た黒・白・赤の配線が銅バーに繋がっております。L1が赤、真ん中のNが白、L2です。
そして、こちらの各銅バーから金属バーが枝分かれし、黒白赤の組み合わせによて100Vか200Vになるという訳です。
今回解説させて頂くのは、テンパール製のコンパクトブレーカーです。コンパクトブレーカーは、電気が流れる銅バーが既に固定されています。
こちらの銅バーの位置としては、上の銅バーがL1で赤、真ん中の銅バーがNで白、下の銅バーがL2で黒という構造となっています。
続いては、分岐ブレーカーを解説していきます。
テンパール製では受け刃が2つありますね。
それでは、100Vを使用しているこちらの2P1Eのブレーカーを200Vの2P2Eのブレーカーに取り替えましょう。
まず最初に配線を取外します。
配線の下部にある白いパーツを、マイナスドライバー等で押しながら配線を上に上げると抜けます。
配線を抜き終わったら、ブレーカーを固定している部分を解除します。
少し見えにくいのですが、コンパクトブレーカー奥側上部に、ブレーカーを固定しているパーツがあります。
固定パーツを解除したら、上に少し力を入れると取外すことができます。
取外した後、2P2Eのブレーカーを差し込みましょう。
100Vから200Vに電圧を変えるには、ブレーカーに記載してある通り、電圧切替バーのビスを緩め200Vにする必要があります。
プラスドライバーを使用し、ビスを緩め電圧切替バーを変更していきます。
こうすることで、こちらのブレーカーに流れる電圧が200Vになりました。
その後、先程抜いた配線を差し込み、電圧を確認すれば完了です。
③エアコン専用回路コンセント取替
電圧切替をした後は、エアコン専用回路のブレーカーを切ったままコンセントを取り替えましょう。念の為、テスターで電圧がきていないか確認して下さい。
それでは、まず最初にコンセントのプレートを取外しましょう。
カバーを取外したら、上下に取り付いているプレート枠のビスを緩め外します。
プレート枠を取外した後は、コンセント本体を固定している上下のビスを取外しましょう。
ビスを取外したら、コンセントを取替えやすくするために、ぐいっと手前に引っ張り出して下さい。
そうしたら、マイナスドライバーを使用して、配線を取外していきます。
くぼみにマイナスドライバーを差込み、引っ張ることで配線を抜くことができます。
200Vのコンセントに配線を差し込む場合は、黒い線と白い線を差し込んだ後、アース配線を差し込んでください。
配線を差し込み終わったら、上下2本のビスを止めます。
ビスを止めた後プレート枠のビスを上下を付け、プレートを付ければエアコン専用回路コンセント取替工事完了です。
コンセントを取り替えた後、分電盤にて分岐ブレーカーを入れ、コンセントの電圧を計測しましょう。200Vが出ていたらOKです!
電圧を確認後、分電盤を閉じた後には、忘れ物が無いかチェックししっかりする事と、しっかりと清掃する事を忘れずに行うようにしましょう。
まとめ
今回は100Vのコンセントを200Vに交換する電圧切替工事を解説させて頂きました。
- 各ブレーカー回路切断
- 電圧切替作業
- エアコン専用回路コンセント取替
エアコン専用コンセントの取替えや分電盤内のブレーカー取替え、電圧切替工事(100Vから200V)は、すべて第二種電気工事士の資格が必要な工事です。
第二種電気工事士以上の有資格者以外は法律違反となりますので、資格を持っていない方は絶対に工事しないでください。
というわけで、電圧切替工事は火事や器物破損の危険があるので、資格を所持していない方は必ず業者に依頼するようにして下さい。
このように、でんきの学校ではエアコンに関するお役立ち情報を数多く掲載しております。
お役立ち情報を掲載している理由としては、将来的にエアコン取付工事を学び、仕事にしたいと考えている方に、現場で役立つ情報を提供したいと考えているからです。
今回のお役立ち情報では、実際に電圧切替をできるようになって頂くために作成しています。
他にも、お客様の疑問や悩みに対してしっかりと答えることができないと、信用を失い不信感を抱かれる可能性もあるので、エアコン取付工事ができるだけでなく様々な知識を付けておく必要があるというわけです。
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