エアコン取り付け仕事は儲かるのか
エアコンニーズが絶えない理由
地球温暖化や都市部のヒートアイランド現象などにより日本国内は年々気温があがっています。
2020年8月静岡県浜松市では史上最高気温として記録されていた41.1℃と肩を並べる気温を観測。
埼玉県熊谷市でも同じ気温を記録しており、
真夏にエアコンのない生活は考えられなくなりました。
また建物を新築、リフォームするときにも空調設備を新設・更新するのはもはや常識。
そのためエアコン取付のニーズも上昇しており求人も多数公開されています。
エアコン取付の技能や関連資格をもっていれば「仕事がなくて就職できない」憂き目にあう可能性はかなり低め。
景気の悪い今の日本でも手堅く稼げる仕事と言えます。
エアコン取付技能をもった方の働き方
エアコン取付の仕事は設備会社には
- ・正規雇用されている正社員
・企業に雇われたアルバイト(日雇い)
・独立して業務を請け負っている自営業
の3つの働き方にわけられます。
ではそれぞれの働き方による年収をチェックしていきましょう。
エアコン取り付け仕事の平均年収
エアコン取付の仕事を就業形態別にわけ、その平均年収をみていきましょう。
- ・設備会社の正社員…未経験者約200~300万円、10年経験者約500~700万円
- ・設備会社のアルバイト…日給1万円前後
- ・フリーランス…約500~1,000万円
正社員の場合未経験者のうちは給与が安い傾向がありますが、経験を積み現場での指導ができるレベルになると年収500~700万円と給与額があがっていきます。
もちろん都市部や過疎地にある会社では給与差(仕事量の差)がありますが、きちんとした実力をもっていれば仕事が途切れることはありません。
働けば働くほど昇給するため、年齢を重ねても不利にならないのです。
またフリーランスで仕事を請け負っている方のなかには年間に1,000万円以上の報酬をうけとっているケースもあります。
エアコン取り付けの仕事は大変?実際の口コミを調査!
忙しい時期は土日や祝日も仕事をしなければならない
家庭用エアコン取付の繁忙期は5~9月になります。
この時期は毎日多くのエアコン取付工事が入っており、忙しい時期は土日祝日関係なく仕事をしなければなりません。
それが体力的にきついと言う方もいます。
真夏のエアコン設置はきつい
真夏にエアコンを設置すると屋外では日光を浴びる、エアコンのない蒸し暑い室内作業などになり体力的に厳しい、という声も聞かれます。
屋内作業では扇風機をつけてくれる、途中でジュースを差し入れしてくれることもあるのですが、やはり蒸し暑い部屋のなかでの作業は疲れます。
一度覚えた技術を活かせる
エアコンの取付という技術を覚えれば、たとえ勤務している会社が倒産したとしても技術があれば再就職、転職しやすい。
人手不足なので高給与の職場を選ぶこともできる。
まだスキルの高くない人(未経験者)でも歓迎してくれるという声も。
独立できる
会社で勤務しながらエアコン取付のノウハウを覚えると、独立して取付業務を請け負う独立個人業者として仕事ができます。
営業や事務作業も自分でおこなう(または人に依頼する)など煩わしいこともありますが、多くの業者から仕事を請け負うことも可能。
会社員では稼げる金額が限られますが、
独立してさまざまな家電販売店や業者と契約することで年収以上の収入が得られるのが魅力です。
エアコンの組み立ては面白い
子供の頃にプラモデルを組み立てたことのある方ならわかるかと思いますが、パーツをきちんとはめ込んで完成品を作る楽しさがエアコン設置にもあります。
ただ設置する環境が現場ごとに違うため現場に応じた柔軟な対応が必要ですが、作業工程に変わりはありません。
きちんと設置でき無事作動したときは嬉しいものです。
お客さんの笑顔に喜びを感じる
エアコンが無事に設置できると設置を依頼してくれたお客さんが喜んでくれます。
とくに暑い季節を扇風機でしのいでいたお客さんは「これで安心です、ありがとうございます」と喜んでくれることもあり、その言葉に喜びややりがいを感じます。
エアコン取り付けの主な仕事内容
主な仕事内容を説明する前に、おおまかなエアコン取付の手順をみてみましょう。
- 壁に据付板の設置(壁の種類により下地センサーなどを使って下地を探す作業も含む)
- 電線を本体に通す(電線を本体の基盤に差し込んで固定する)
- 本体(室内機)を壁に設置する
- 室外に露出させた銅管を室外機に接続する
- 真空引き
- 室外機に電線を接続
- 仕上げ
室内機をしっかり設置する
エアコンをきちんと設置するためには、壁の裏にある柱(木下地)に据付板を固定しなければなりません。
とくに石膏ボードの場合下地のない壁にエアコンを設置すると強度不足で落下する可能性も。
適当な作業ではクレームにつながるので慎重に。
ファイルソーやインパクトドライバーを使いビス穴を開け、さらに電動ドライバーでボードアンカーを打ちこみ据付板を固定します。
据付板がしっかり設置できればあとは室内機を引っ掛けるように設置するだけです。
室内機と電線の取付け
電気工事士の実技試験でもおこなう「絶縁体の皮むき」ができれば問題ありません。
ニッパーでの皮むきでは内部の銅線を傷つけないよう注意してください。
銅線を室内機本体に差しこみビス止めすれば完了です。
室外に露出させた配管の接続
室内機から屋外に露出させたガス管・液管の2つの管にさらに長い銅管をつないで延長させていきます。
延長するときは2本のナットを使いしっかり締めあげましょう。
この作業が不十分だと冷媒ガスが漏れ、エアコンが効かなくなることがあります。
接続し終わった銅管と電線、さらにドレンホースの3つをひとまとめにしてテープで下から巻きます。
銅管を室外機に接続し真空引きをする
銅管の先をフレア加工と呼ばれるラッパ型に加工し、室外機のバルブにつないでいきます。
つながったあとに接続した銅管内部にある水分や空気を追い出すために真空引きをします。
銅管内の圧力を図りながら作業しますが、作業自体は約20~30分前後で終了します。
室外機と電線の接続
室内機と同じ要領で電線と室外機を接続します。
最後に室外機のカバーを被せて完成。
あとは通電させて室内機の設定温度どおりに冷風(温風)がでるか試運転して終了です。
仕事の将来性について
前述しましたが、地球温暖化や気候変動などの変化により真夏の気温は上がり続けています。
これからエアコンが必要とされなくなる、という心配はありません。
技術をもっていれば転職・再就職にもかなり有利です。一度覚えた技術・知識を他人に奪われることはありません。
仕事の将来性はかなり有望です。
未経験者や女性でも大丈夫?
エアコン本体を持ち上げるときは体力を使いますが、電動工具を使ったビス止めや配線工事は女性でも十分できます。
未経験者でもアシスタント(見習い)の立場から仕事を覚えれば、数年で仕事の内容をマスターすることができるでしょう。
初心者や女性でも活躍できる世界です。
ただ
- ・コンセントの増設・移設・切替
- ・アース接地極への接続や埋設作業
- ・600V以上のエアコン設置
- ・内外接続線同士の接続
などの作業は電気工事士資格が必要なので、1人で仕事をしたいなら電気工事士の資格は必須です。
エアコン取り付け業者を目指すなら!
エアコン取付業者を目指すなら、ベテラン指導員とペアになってOJTで指導してくれる設備会社に就職するのが一番です。
技術を学ぶのは確かに大変ですが、働きながら(お金を稼ぎながら)実地で作業を覚えるのが効率的。
エアコン取付業者を目指すなら、信頼できる設備会社への入社が確実です。